【直虎22話感想】恋する殿、横で見せつけられてる政次の不憫さに号泣

 今週、まずNHKにお礼を言いたいです。ありがとうNHK、こんなにハマれるドラマを作ってくれて。高橋一生さんに不憫な片思い役を振ってくれて、マジありがとうございます。これがあるから、仕事がつらかろうが、息子たちがアホだろうが、1週間生きてゆけます。心の隙間を埋めてくれてます。
 視聴率低くくても、男性や高齢の視聴者が理解できなくても、いいじゃないか、NHK。私は大好きです。
 このうえは、どうか政次を長生きさせてあげてください。彼がちょっとは報われますように。どうかどうか~

 

■直虎がチョロすぎる

 てなわけで、今週も七転八倒しながら見れました。まず直虎がチョロい!おいおい、それでも30歳すぎ?城主なの?ノコギリ引きの場面とか、その後妄想してる場面とか、乙女すぎてこっちが恥ずかしくなります。なんだこれ、B級ラブコメじゃーん、と言いつつ目が離せない。一人で見てて良かった~。でもなんか最近、ちょっと色っぽくなってきましたね。

 

■龍雲丸はアラン?

 で、今週は龍雲丸がかっこいいんですね。最初登場したとき、いきなりふんどし姿だし、なんでこんなヤツに??と思っていたんですが、目元に色気があるというか。率直に言って、エロい。なんか香水とかのいい匂いがしそう。直虎が惹かれる気持ちもわかるかも。武家出身ということですが、彼はもしや、ベルばらにおける衛兵隊の班長アラン?(確か、貴族出身だったような)。オスカルに強引にキスしてアンドレに殴られるやつ。あー、そう考えると、高瀬って、ベルばらに出てくる妹みたいにかわいいロザリーって気がしてきました。「たけさん」って、オスカルのばあやじゃん。って話がそれました…。

 

■くだらんぞ、但馬

 村人たちが集まっての楽しい飲み会の場面、遅れてカッコよく登場した龍雲丸。盛り上がるBGM。気持ちが通じ合い、満面の笑顔の直虎ちゃん。でも一視聴者の私の気持ちはヒヤヒヤです。だって、真となりで政次が一部始終を見てるじゃないですかぁ。あー、まずい、直虎ちゃん、その笑顔はまずい、そのはしゃぎぶりはまずいよ~って思っていたら、やっぱり彼は飲み会から消えましたね。自分の感情がダダ漏れになりそうになると、とりあえずその場から立ち去る傾向があるようです。
 今回、最初からずーっとイライラしてた政次。直親が生きてた「真昼の月」時代には、イライラや嫉妬心?を(視聴者の前に)出すことなんてほとんどなかったのに。

 でも単純な嫉妬とは違ってそこにはいろんな気持ちが入り交じってる。一歩間違えば殺されるかもしれない立場で、あるいは殿としてみんなを守る立場で、何を色恋に浮かれてんだよ、と家老としてイライラする気持ち。おまえ絶対ソイツ(イケメン、チャラそうな龍雲丸)にちょっかい出されてるだけ、おまえごときが太刀打ちできる相手じゃない、傷つくだけだからやめとけ~!!と幼なじみとして心配する気持ち。さらにその下の下にある本人も認めたくない気持ち。

 

■複雑だけど、だんだんわかりやすくなってきた? 

 以前、高橋一生さんのインタビューを掲載しましたが、高橋さんの言うとおり政次はとても複雑な人間です。
 井伊谷の人たちや他の家来の前では、今川寄りの目付け役の家老。そして直親が死んで以降は、鶴、亀、おとわの3人の幼なじみの1人として、どんな手段を使っても、亀に続いておとわも死なせてはいけないと、責任感から自分に誓いをたてていたように見えました。
 でも、18話で直虎の誤解がとけて以降、直親の隠し子に傷ついた直虎を見て自分も傷ついたり、誘拐された直虎を心配して寝ずに待ったり、なんというか、幼なじみを超えたところの気持ちが、だんだんこっち(視聴者)にも漏れてくるようになりました。理性的な彼にとってはたぶん、こんな気持ちなんかくだらなくて、余計なもので、いっそなくなればいいと思っているのでしょうが。

 

大河ドラマだからこそ

 考えてみれば、これだけ複雑な人物像を描けるのも、1年間にわたる大河ドラマだからこそですね。3人の子どものころ、そして成長する姿がしっかり描かれているから、私ごときにもいろいろと想像する素地があるのだと思います。大河ドラマって篤姫以来まともに見たことないんですけど、こういう使い方があったんですね~。